赤字工場を脱したければ、稼働率は上げるな！？生産管理で9割が間違える「稼働率と可動率」の致命的な勘違いを解説する
稼働率が高い工場ほど危険？｜利益を減らす思い込みと「可動率」という正解
製造業では長年、
「稼働率は高いほど良い」
という考え方が常識とされてきました。
しかしこの思い込みこそが、
在庫増加・赤字・現場疲弊を招く
大きな原因になっています。
今回は、稼働率に対する誤解を整理し、
利益を生み続ける工場が実践している
「可動率」 について解説します。
工場改革・生産性向上に取り組む方は、
ぜひ最後までご覧ください。
💡 稼働率に対する誤解
多くの人は、
「稼働率が高い＝良い工場」
と考えがちですが、
これは非常に危険な思い込みです。
稼働率を無理に上げると、
不要な生産が増え、在庫が膨らみ、
結果として赤字につながります。
📊 稼働率とは？
稼働率とは、
設備がどれだけ動いているかを示す割合です。
ただし重要な事実があります。
稼働率は、顧客の注文量によって決まる指標であり、
工場が自由にコントロールできるものではありません。
それにもかかわらず、
「動かしていない＝悪」
と判断してしまうことが、
多くの工場で問題を生んでいます。
🏭 稼働率を上げることの危険性
稼働率を目的にしてしまうと、
次のような事態が起こります。
- 必要のない生産で在庫が増加
（6000万円〜8000万円規模の損失になる例も） - 無駄な残業・外注が増え、人件費とコストが膨張
- 「とにかく動かす」思考が経営判断を狂わせる
機械を動かすこと自体が価値ではありません。
⚙️ 正しい管理の考え方
重要なのは、
「稼働率が高いか低いか」ではなく、
「今日の稼働は正常か？異常か？」
を判断できる仕組みを持つことです。
稼働率は結果であって、
管理指標にしてはいけません。
🚗 車の例えで考える
車の稼働率は、
1日2時間使うと仮定して約12.5％です。
だからといって、
「もっと車を走らせよう」
とは誰も考えません。
工場も同じで、
必要なときだけ動かせば良いのです。
🔁 工場で活用できる指標「可動率（べきどうりつ）」とは
利益を出している工場は、
**稼働率ではなく「可動率」**で管理しています。
可動率とは、
生産計画に対して、
どれだけ予定通り生産できたか
を示す指標です。
- 可動率は、100％が理想
- 100％を超える生産は「異常」
- 作りすぎ＝ムダ・在庫・赤字の原因
📅 可動率を高める実践ポイント
- 生産計画を「時間（工数）と数量」で可視化
- 必要なものを、必要な分だけ作る
- 計画どおり進まない場合は、原因を分析し改善
この管理を徹底することで、
現場は迷わず動き、経営判断も正確になります。
🚀 成果とまとめ
可動率管理を導入した工場では、
- 生産性30％以上向上
- 在庫削減
- 残業・外注費の削減
という成果が出ています。
稼働率は顧客が決める指標。
工場が目指すべきは、**可動率100％**です。
🎯 結論
稼働率は目的ではなく、結果の一部にすぎません。
「可動率」という考え方を取り入れることで、
ムダのない生産と高利益体質の工場を実現できます。
💬 一言まとめ
機械を動かすことが目的ではない。
「必要なときに、必要な分だけ動かす」
それが、正しい生産管理です。
この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね！