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利益を減らす工場の5つの要因

こんにちは、技術士(経営工学)のカスヤです。

前回は、利益が出ない工場の3大要因を解説してきました。

簡単に復習しておきましょう。以下の3つでしたね。

①利益が出ない仕事のやり方をしている。

②工場の管理者・現場リーダーが、利益の出る仕事のやり方を知らない。
教えてもらっていない。

③経営者が本気で工場を改革しようと決意しても、
従業員がついてこない。
(分かっていても行動しない)

ポイント!
利益を増やしたければ、利益を減らしている要因を知れ

多くの中小製造業では、
皮肉なことに利益が出ない仕事のやり方をしています。

しかし、現場の人はその事実に気づきません。

さらに厄介なことに、
利益が出ないやり方を、よかれと思ってやっているんです。

しかも、現場で決定力を持つベテラン者ほど、
このような間違いをしていて、
そのため若い人も同じような固定観念を持ってしまうんです。

これは非常に怖いことだと思いませんか?

私は中小製造業にもいたので、これを肌で感じていました。

では、ものづくりの現場に潜む、
利益を減らしている典型的なパターンを解説します。

目次

利益を減らす工場は、「作れ、作れ、効率アップ」という

それでは、1つ目の要因を解説します。

まずは、あなたに1つ質問です。
次の中で、
『利益を生み出す視点』から正しい考え方はどれでしょうか。

①「まとめてつくると、1個当たりの原価が下がって儲かるから、一気に作ろう」

②「高い機械だから、遊ばせているのはもったいない、稼働させよう」

③「材料はある、人もいる、でも機械は空いている、だったらもう少し作っておこう」

これは、3つとも全て間違っています。
更に言えば、非常に危険な考え方です。

売れないものを作る。これはもう重大な罪ですね。

ものの作り方の発想を変えよ!

でも、①~③のように考えている管理者は意外に多いです。
機械を止めることを罪悪と考えている。

だから、
作業者は機械を止めると叱られるので、今、必要としない、

いずれ顧客が買ってくれるであろう製品をつくってしまう。

機械を止めることを罪悪と考えている管理者がいるんですよね。

材料費を使い、労務費を使い、
工場のスペースを使い、売れない不良在庫を生産する。

これがどれほど経営に悪影響を及ぼすかは、
経営者であれば容易に理解できることです。

しかし、現場の作業者は、
不良在庫を増やしてしまうことを、
「効率が良くなり利益がでる」と考えています。

これはとんでもない話であり、
利益に対する錯覚なのです。

今は、作れば売れる時代ではありません。
ものが溢れている現代において、

「作ったものを売る」のではなく、
「売れるものを作る」が基本になります。

以下は、ゴールドラット博士の「ザ・ゴール」からの引用です。

仕掛品の山を目の前にして、
何もやることがなければもっと資材を投入させるという管理者に対し、
「お金を儲けたくないのか!?」
「人を働かせることと、利益を上げることは別だ!」
「皆を100%いつも働かせないといけない、という考え方が間違っている!」

あなたの工場はどうでしょうか。
工場に行って、仕掛品1つ1つに問いかけて下さい。

「仕掛くん、あなたはいつ出荷されるの?」

返事がない仕掛品が多いのではないでしょうか。

利益を減らす工場は、材料を多めに買う

では、2つ目の要因を解説します。

生産性向上コンサルでは工場に初めて行った時に、

まず材料(原料・部品)倉庫に向かいます。
部材に対する意識、考え方を確認することで、
工場の実態が分かるからです。

そして、部材担当者や発注責任者と、現場でこんなやりとりが始まります。

もし、自分のお金で部品を買うとしたら、今と同じやり方を続けますか?

コンサル「この倉庫には何種類のものが置かれていますか?」

担当者「ん~、え~っと…、全てパソコン管理なので、今直ぐ確認してきます」

コンサル心の声(すぐ分かると言いながら、10分以上経っても帰ってこないな)

担当者「今日は、たまたま発注者が休みのため、データが分かりません」

コンサル「私が工場を訪問するときに限って、例外的なことが起こりますね(笑)」

コンサル「私はパソコンに聞いているのではなく、あなたに聞いているんですよ!」

担当者「と言われましても…今は分かりませんので」

コンサル「では、ここに置かれている部材の合計金額はいくらですか?」

担当者「き、金額ですか?!えーーあの…金額は分かりません」

コンサル「では、ここにはお金が置かれていると考えてください。
もし、自分のお金で部品を買うとしたら、今と同じやり方を続けますか?

担当者「自分のお金だとしたら……出来ない?!」

コンサル心の声(この質問は、資材発注に対する金言だ!経営者だけが頷いている!)

かなりリアルなやり取りです。あなたが担当者ならどうでしょうか。

部材購入の典型的な間違いは、
現場担当者が独自の判断基準(経験と勘)で購入していることです。

そして、
自分のお金で買うわけでもなく、
しかも欠品すると困るので多めに購入してしまう
ことです。

これは大切なお金をたれながしているということですよね。

更に問題なのは、
多めに買っているという事実が経営者に正しく伝わっていないことです。

材料は多めに買え!は間違いです。

部材の購入というお金が出て行く管理をしっかりしなければ、
儲かるはずはありません。

年間数億円の部材在庫がありながらも、
毎月数千万円の部材を購入している会社が実際にはあるんです。

利益を減らす工場は、単価が安いからといって外注に出す

続いて、3つ目の要因を解説します。

ここでも、ある工場での製造課長とのリアルなやり取りから。

工場の作業を全て外注したら?

製造課長「安い外注に出せば、コストダウンになります」

コンサル「安い外注に出すと、本当にコストダウンになるのですね?」

製造課長「もちろん、社内でやるより、ずっと単価が低いですからね」

コンサル「それなら、工場の作業を全て外注に出しなさい

製造課長「えっ!それは…ちょっと」

単価の安い外注に依頼するとコストダウンが図れるというのは錯覚です。

社内加工する場合と、外注加工する場合は、お金の流れが異なります。
異なることを比較することが間違いの始まりになります。

例えば、1時間の加工作業を行う場合、
社内加工では社内単価として4000円程のコストがかかる。
同じ作業を外注へ依頼すると2500円のコストがかかるとします。

単価を比較した場合、当然外注に依頼する方が安いです。

しかし、
社内加工した場合は4000円が
社内の作業者に支払われるわけではありません。
社内の作業者には毎月給料という形でお金が支払われます。

一方、外注依頼した場合の2500円というのは
工場から外注へお金が実際に支払われます。

定時間内であれば、
どんなに社内単価が高くても追加的に発生するコストはゼロです。

これに対して、
たとえ1円だとしても外注に依頼すると追加コストが発生するので、
結果として利益を減らすことになるのです。

社内で生産する場合は、
給料という固定費としてお金が発生します。

しかし、外注に依頼する場合は、
その固定費に上乗せされ
、更にお金が外に出ていきます。

外注単価と社内単価を比較してはいけませんよ。
社内でやりきってしまえば、実質的な追加コストは掛かりません、ゼロです。

ここを理解せず、社内に余裕があるにもかかわらず、
外注にどんどん仕事を出している工場があるのです。

社内の操業に関する明確な基準がないまま、
外注に出していたら儲かると思いますか?

工場は外注のためでなく、
顧客のために仕事をしているということが重要ですね。

旧ブログはこちらからどうぞ。
http://pe-michanpapa.hatenablog.com/

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